一次エネルギー消費量の基準「BEI」とは?計算方法や該当基準を解説

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住宅の省エネ性能を確認する際に使われる指標のひとつに、「BEI」があります。BEIは、「設計一次エネルギー消費量」を「基準一次エネルギー消費量」で割って求める指標で、省エネ基準に適合しているかどうかを判断するための数値のひとつです。
BEIの計算方法
この記事では、BEIの意味や一次エネルギー消費量との関係、計算方法、該当する基準について分かりやすく解説します。省エネ住宅やZEH住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

BEIとは?一次エネルギー消費量との関係

BEIとは、住宅の省エネ性能を評価するために用いられる指標です。ここでは、BEIの基本的な意味や、一次エネルギー消費量とどのような関係があるのか、またBEI値ごとに該当する基準について解説します。

BEIは省エネ性能を表す指標

BEIとは「Building Energy Index」の略称で、住宅・建築物の一次エネルギー消費量の水準を評価するために使われる指標です。

住宅では、冷暖房・換気・給湯・照明など、日々の暮らしの中でエネルギーが使われています。BEIは、そうした住宅全体のエネルギー消費量をもとに、省エネ性能がどの程度あるかを判断するための数値です。

BEIの数値が小さいほど、エネルギー消費量を抑えられていることを示します。つまり、同じように暮らす場合でも、より少ないエネルギーで快適な室内環境を保ちやすい住宅ほど、BEIの値は低くなります。

新築住宅においては、BEIが一定の基準を満たしているかどうかが、省エネ基準への適合を判断する目安の一つになります。

BEI値の該当基準

BEI値は、住宅がどの省エネ基準に該当するかを確認する際の目安になります。基本的には、BEIの数値が低いほど省エネ性能が高い住宅と判断されます。

主な基準は、以下の通りです。

BEIの値 該当基準
BEI ≦ 0.75 ZEH+基準
BEI ≦ 0.80 ZEH基準
BEI ≦ 0.9 誘導基準
BEI ≦ 1.0 省エネ基準

省エネ基準に適合するためには、BEIが1.0以下であることが目安です。さらに高い省エネ性能を目指す場合は、BEI0.9以下の誘導基準、BEI0.8以下のZEH基準、BEI0.75以下のZEH+基準が目安になります。

たとえば、BEIが1.0以下であれば省エネ基準に適合する水準、0.8以下であればZEH基準に該当する水準と判断できます。ZEHやZEH+のような高い省エネ性能を備えた住宅を検討する際は特に確認しておきたい指標です。

BEIの算出方法

BEIは、以下の計算式で求めます。

BEI = 設計一次エネルギー消費量 ÷ 基準一次エネルギー消費量

たとえば、設計一次エネルギー消費量と基準一次エネルギー消費量が同じ場合、BEIは1.0になります。設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量より少ない場合は、BEIが1.0未満となり、省エネ性能が高い住宅と判断されます。

反対に、設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギー消費量を上回る場合は、BEIが1.0を超えます。この場合、基準よりもエネルギー消費量が多い設計となるため、省エネ基準を満たさない可能性があります。

設計一次エネルギー消費量と基準一次エネルギー消費量の違い

BEIを理解するうえでは、計算式に使われる「設計一次エネルギー消費量」と「基準一次エネルギー消費量」の違いを押さえておきましょう。

設計一次エネルギー消費量とは、「空調」「換気」「給湯」「照明」等に伴うエネルギー消費量の合計から、エネルギー利用効率化設備(太陽光発電設備等)によるエネルギー削減量を差し引いた数値です。

実際の計算では、WEB上の算定プログラムを使用して確認します。

一方、基準一次エネルギー消費量とは、地域区分や床面積、住宅の用途などに応じて定められる国が定める基準値のことです。その住宅が建てられる地域や規模などを踏まえ、「この条件であれば、これくらいのエネルギー消費量が基準になる」という目安を示します。

基準一次エネルギー消費量は、国立研究開発法人 建築研究所などが公開している「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」で、地域区分や床面積、設備仕様などを入力することで確認できます。

一次エネルギー消費量とは?

続いて、一次エネルギーと二次エネルギーの違いや、住宅の省エネ性能を考えるうえで一次エネルギー消費量が重視される理由について解説します。

一次エネルギーと二次エネルギーの違い

一次エネルギーとは、石油・石炭・天然ガス・原子力・太陽光・水力・風力など、加工されていない状態のエネルギーのことです。

一方、二次エネルギーとは、一次エネルギーを使いやすい形に変換・加工したエネルギーのことです。住宅で使用する電気や都市ガス、灯油などは、二次エネルギーに分類されます。

私たちが日常生活で直接使っているのは、主に電気やガスなどの二次エネルギーです。しかし、省エネ性能を評価する際には、それらを作るために必要となる一次エネルギーまでさかのぼって考えます。

たとえば、家庭で使う電気は、発電所で石油や天然ガスなどを使ってつくられ、送電されて住宅に届きます。そのため、住宅で使った電気量だけを見るのではなく、発電や供給の過程も含めて、どれだけのエネルギーが使われたかを評価する必要があります。

このように、住宅で使われるさまざまなエネルギーを一次エネルギーに換算したものが、一次エネルギー消費量です。

住宅で一次エネルギー消費量が重視される理由

住宅で一次エネルギー消費量が重視されるのは、住宅全体の省エネ性能を分かりやすく判断できるためです。

住宅では、冷暖房・換気・給湯・照明など、さまざまな設備でエネルギーを使います。ただし、使われるエネルギーは電気やガス、灯油など種類が異なるため、そのままでは住宅全体でどれくらいエネルギーを使っているのかを比較しにくくなります。

そこで、それぞれのエネルギーを一次エネルギーに換算することで、住宅全体のエネルギー消費量を同じ基準で確認できるようにしています。

一次エネルギー消費量が少ない住宅は、少ないエネルギーで快適に暮らしやすい住宅といえます。冷暖房や給湯などに使うエネルギーを抑えられるため、光熱費の削減にもつながります。

また、エネルギーの使用量を減らすことは、環境への負荷を抑えることにもつながります。そのため、省エネ住宅を考える際は、断熱性能や設備性能とあわせて、一次エネルギー消費量も大切な判断材料になります。

一次エネルギー消費量の計算方法

一次エネルギー消費量は、住宅の断熱性能や設備の仕様などをもとに算出します。

前提として、一次エネルギー消費量を正確に知るには、図面や設備仕様書などの情報をもとに、専用の算定プログラムへ入力する必要があります。

自分で大まかな考え方を理解することはできますが、申請や基準適合の確認では、建築会社や設計者などの専門家に確認しながら進めると安心です。ここでは、計算の対象となる設備や、計算時に必要になる主な情報について解説します。

計算対象になる設備

一次エネルギー消費量の計算では、住宅で日常的に使われる設備のエネルギー消費量が対象になります。主な対象設備は、以下のとおりです。

計算対象になる設備 内容
暖房設備 エアコン、床暖房、温水暖房など
冷房設備 エアコンなど
換気設備 24時間換気システムなど
給湯設備 給湯器、エコキュート、エコジョーズなど
照明設備 居室や非居室の照明など

住宅の一次エネルギー消費量は、これらの設備がどれくらいエネルギーを使うかをもとに計算されます。

なお、太陽光発電などの創エネ設備がある場合は、エネルギー消費量の削減効果として評価に反映されることがあります。ただし、計算の方法や評価の扱いは制度や申請内容によって異なるため、具体的な確認は専門家や算定プログラムを通して行うのが一般的です。

計算に必要な情報

一次エネルギー消費量を計算するには、住宅そのものの条件と、採用する設備の情報が必要です。主に必要となる情報は、以下のとおりです。

必要な情報 内容
地域区分 住宅を建てる地域の気候条件を示す区分
床面積 主たる居室、その他の居室、非居室などの面積
外皮性能 断熱性能や日射の入りやすさなど
暖冷房設備の仕様 エアコンや暖房機器の種類、性能など
換気設備の仕様 換気方式や消費電力など
給湯設備の仕様 給湯器の種類、効率、配管方式など
照明設備の仕様 照明の種類や設置場所など

一次エネルギー消費量・BEIに関するよくある質問

最後に、一次エネルギー消費量とBEIの違いや、BEI値の見方、計算方法に関するよくある質問にお答えします。

一次エネルギー消費量とBEIの違いは何ですか?

一次エネルギー消費量は、住宅で使うエネルギー量そのものを表します。BEIは、その消費量が基準に対してどの程度なのかを示す指標です。

BEIの数値はどのように見ればよいですか?

BEIは、数値が小さいほど省エネ性能が高いと判断できます。省エネ基準に適合する目安はBEI1.0以下、ZEH基準の目安はBEI0.8以下です。

一次エネルギー消費量の計算は自分でできますか?

専用の算定プログラムを使えば確認できますが、図面や設備仕様などの専門的な情報が必要です。正確な計算は建築会社や設計者に相談しましょう。

まとめ

BEIは、住宅の省エネ性能を確認するために使われる指標です。設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割って算出し、数値が小さいほど省エネ性能が高い住宅と判断されます。

また、BEIのもとになる一次エネルギー消費量は、冷暖房・換気・給湯・照明など、住宅で使うエネルギーを一次エネルギーに換算して評価するものです。一次エネルギー消費量を抑えることで、光熱費の削減や環境負荷の軽減にもつながります。

省エネ住宅を検討する際は、断熱性能や設備性能だけでなく、一次エネルギー消費量やBEIの数値にも注目してみましょう。

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