断熱施工マニュアル
【断熱施工の基本的な考え方】
断熱及び防露性能を確保するために、断熱・防湿・気密層のラインは途切れることなく、連続性を保てるように施工する事が基本です。
断熱施工の3つのポイント
- 気流止め(床下や小屋裏から外壁・間仕切り壁に外気が入りこまないようにする)
- 断熱材を隙間なく施工する
- 室内側に気密層・防湿層を連続させる
部位別施工方法のポイント
床施工のポイント
(1)剛床の場合
- 土台・大引間にアクリアUボードピンレスを充填します。
- 剛床の場合床下地材で床下からの気流が止められます。

(2)根太床の場合
- 根太間にアクリアUボードNTを施工します。
- 床下からの気流を止めるために、気流止めを施工します。

- 4地域以南の気流止めは防湿フィルム付きグラスウールの仕様でも可能です。(筋交いがある部分には適用できません。木材にて気流止めを行ってください。)

壁施工のポイント
グラスウールを柱・間柱間に隙間なく施工します。
(1)防湿フィルム付グラスウール(アクリアネクストなど)の場合
アクリアネクストの防湿フィルムは、防湿・気密層になります。
アクリアマットなどの18μmの防湿フィルムを使用する場合は、内部下地材(石膏ボード等)を胴差し・桁まで張り上げることで気密層となります。
- グラスウールを柱・間柱間に隙間なく施工し、防湿フィルムを柱・間柱、梁・胴差の見付け面に重ねて止めます。


- 筋交い部分はグラスウールを隙間無く充填し、筋交い表面に防湿フィルムを施工します。

- フィルムの下部は床下地材に留め付け、床仕上げ材で押さえて床の気密層につなげます。

- 壁のボードで柱・間柱、桁・梁の防湿フィルムを押さえ付けます。

- ボードを張り上げることで胴差を介して2階に断熱、防湿層を連続させます。
- 2階が根太床の場合は気流が壁内に入らないように気流止めを施工します。
- 最上部はボードを桁まで張り上げる事で気流止めが不要になります。
- 天井野縁は壁のボード張り上げ後に施工します。
- 壁のボード施工前に野縁を組む場合でも、野縁より上の壁部分も忘れずに木材やボード等でフィルムの端部を押さえ付けます。

(2)別張り防湿シートの場合
〔 防湿シートは、JIS A 6930に適合する厚さ0.1mm以上のものまたは、0.2mm以上のものを推奨します〕
- 外壁の寸法に適合する幅・長さのグラスウール(アクリアウールなど)を用い、柱と間柱間に充填します。
- 断熱材の施工後、室内側に防湿シートを縦又は横方向に張ります。防湿シートは、柱や間柱、桁、胴差などの木材の見附面にタッカーで留めます。
- その上からせっこうボード等の面材で押えます。防湿シートの重ね部分は木下地のある場所で、30mm以上重ねます。
- ボードを張り上げることで胴差を介して2階に断熱・防湿層を連続させます。
- 2階が根太床の場合は気流が壁内に入らないように気流止めを施工します。
- 最上部はボードを桁まで張り上げることで気流止めが不要になります。


- コンセントボックスを取付ける場合は気密コンセントボックスカバーを取付けます。(4地域以南は推奨)

- 断熱層を貫通する部分は気密テープ等の気密補助材を使用して隙間を塞ぎます。

天井施工のポイント
別張り防湿シートが防湿・気密層になります。小屋裏の外気が壁内に入らないよう気流止めを施工します。
(1)外壁との取り合い
- 壁のボードを桁・梁まで張り上げ、野縁を組みます。
- 野縁の上に断熱材を隙間なく敷き詰めます。
- 室内側に防湿シートを施工します。
- 天井の断熱材を2層にする際には上の断熱材と下の断熱材が直交するように施工をします。防湿フィルム付きの断熱材を使用する場合は、上側の断熱材の防湿フィルムを剥がすか、穴を開けてしけが通るようにします。


(2)間仕切壁との取り合い
- 小屋裏から間仕切壁に外気が入らないよう気流止めを施工します。
- 気流止め上部が断熱欠損とならないように注意します。(壁用又は天井用の断熱材をあらかじめ充填しておきます)

(3)下屋
- 下屋は2階壁から1階天井まで下がり壁をつくり、断熱・防湿層を連続させます。
- 下屋下に浴室がある場合も野縁を組んで天井をつくり断熱・防湿気密層を連続させます。

- この事例に関連する製品